なになれ

IT系のことを記録していきます

1on1の進め方と注意点について

ソフトウェアエンジニアのチームを率いて1年ほど経過して、その間1on1を継続的に実施しました。
この記事では1on1についての諸々を書きます。

要約

  • 1on1には種類があるので、得たい結果に応じて、1on1の進め方を使い分ける
  • 1on1の時間を効果的に使えている人とそうでない人がいる
    • 効果的に使えている人:1on1を自分のための時間と捉えて、いい意味で上司を使っている人
    • 効果的に使えてない人:1on1を上司に報告する場と捉えて、情報共有に終始してしまう人

内容

1on1を運営するにあたっては以下の書籍の内容を参考にしています。

www.oreilly.co.jp

1on1の進め方を使い分ける

これは「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス」でも出てきていて、キャッチアップ型やフィードバック型というやり方が紹介されています。

自分は基本的にキャッチアップ型で1on1を運営しています。
キャッチアップ型はメンバーから話題を出してもらってそのことについて話すという方法です。
このやり方はメンバーにその場をほぼ委ねているので、その場の質はメンバーの振る舞いに左右されます。
話題は、メンバーが担当している業務のことだったり、今後のキャリアパスのことだったり、単純な雑談だったり、自由です。
メンバーとの関係性を築くということを重視していて、それにはキャッチアップ型が有効だと考えています。
なので、話題の重要度はほぼ気にしていません。このタイプの1on1では成果が出ることを期待しないようにしています。
また、このやり方だと人間関係に関する話題が出やすいです。
こういった話題の場合には、過度にその話題に共感するのではなく、仕組み的に人間関係の摩擦を解決できないかを考えることが大事だと思います。
例えば、人間関係がよくない相手同士が頻繁にコミュニケーションが必要な仕事の枠組みになっているのであれば、組織構造を見直すことも考える必要があると思います。

メンバーのパフォーマンス改善をしたいといった成果を期待する場合には、キャッチアップ型ではなく、フィードバック型が良いと思います。
フィードバック型は、上司の立場から話題を出して、仕事のやり方を改善して欲しいなどのフィードバックを与えたい場合に使います。
こういったフィードバックを行う場合には感覚ではなく、数値的な根拠が示せるとよいので、できるだけフィードバックに納得してもらえるように準備します。
特定のタスクの完了にどれくらい時間がかかったのかなど。その原因は何なのかを上司なりに解釈して伝えるなどです。
このような話ができるとメンバーもフィードバックに対して前向きに捉えてくれると思います。
目標設定などの面談が会社のイベントとして行われている場合には、フィードバック型の1on1をその時間で行っても良いと思います。
目標設定の話を行う過程でフィードバックに話題を持っていくという形で、フィードバックがやりやすい場だと考えます。

1on1を効果的に使えている人と使えていない人

進め方を使い分ける話と関連があるテーマですが、キャッチアップ型では1on1がメンバーの場になるためにメンバーがどのように振る舞うかがその時間の質に左右されます。
その中で時間を効果的に使えている人と使えていない人がいるなと感じました。

1on1を効果的に使えている人は1on1を自分のための時間と捉えて、いい意味で上司を使っている人です。
これは自分に関する何かを改善したいという目的があって、話題を出しているのだと思います。
話題が相談のような形になっているのも特徴です。
例えば、仕事の一環で〇〇にチャレンジしようと思っているのだがどう思うか?やり方は適切だと思うか?や〇〇のスキルを身につけたいと思っているが、何かアドバイスが欲しいなど
メンバーの視点から仕事上で疑問に思っていることを質問してみるというのも良いパターンだと思います。
こういった話題が出せる人は自らを成長させていきたいという意欲が見えて、上司の視点から見ても評価できるなぁと感じます。

一方で効果的に使えていない人は1on1を上司に報告する場と捉えて、情報共有に終始してしまう人です。
例えば、近況報告のような形で日々の業務の状況を話すことです。日々の業務の状況は他のコミュニケーションの場で把握していることが多いので、この場で改めて話す必要はないかと思います。
このような場合、上司側からメンバーに対して効果的に時間を使ってもらえるようにフォローが必要な状態だと思います。
このあたりはまだ試行錯誤中なのですが、上司側から気になる話題を質問して、さまざまな話題に慣れさせるというのが手だと思っています。

1on1のTips

社内ツールはGoogle Workspaceなのですが、Googleカレンダーから会議メモを作成する機能が1on1の時にめちゃくちゃ便利なので使っています。
日付、メモ、アクションアイテムを書くための雛形ドキュメントが自動的に作成されます。これを使って1on1中に話した内容を記録するようにしています。

support.google.com

感想

今回は1on1を実施する側の話でした。「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス」では1on1について色々書かれているので参考にしながら試行錯誤して運営しています。
もちろん自分でも1on1を受ける側の時があるのですが、1on1を色々な立場で経験すると良し悪しが見えてきて面白いです。
1on1では、メンバーに教えられることも数多くあり、1on1という場を運用するのは実施する側、受ける側、双方にとって効果的だなぁと実感しています。